4.必要な設備(ハード、ソフト、通信環境)および設定方法

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オンライン学科教習の実施に先立ち、一般に普及しているweb会議ツールを利用してオンライン学科教習を行う際、ソフトウェアの設定をどうするのか、どの程度のスペックの機材(配信側、受信側)や通信環境が必要になるのか等、目安となる方法や数値を明らかにするために以下の検証を行いました。あくまでも参考値として参照して頂くことを前提とし、各教習所個別の環境に依存する部分は考慮しておりません。(尚、録画配信方式は各メーカーが開発した学科教習向けの配信システムが必要となり、一般的に普及しているツールだけを用いての自主運用は困難と想われますので、本検証からは除外します。)


検証内容

(1)検証対象

一般的なWEB会議システムの内、ZOOMおよびWebExを対象に以下検証を行った。その他ツール(Teams、skype meets now、google meets)については、受信側の登録作業が困難、動画再生時の品質が低い等の理由により、教習所におけるオンライン学科教習には適応しないと判断し、調査対象からは除外した。


(2)検証方法

上記検証対象のZOOMおよびWebExを介し、配信側PC・受信側デバイス・配信側回線・受信側回線を変化させながら、1080pのフルHD動画を配信し、受信状況を確認した。(N-PLUS内の動画をN-PLUSを介さずにそのまま配信)
各環境にて使用したスペックは以下の通り

〇配信PC

  • 配信PC1:CPU corei7(第8世代)/メモリー 16GB
  • 配信PC2:CPU corei5(第8世代)/メモリー 8GB
  • 配信PC3:CPU corei5(第6世代)/メモリー 8GB

〇配信側通信回線

  • 配信回線1:softbank回線(上り50~100Mbps程度、下り50~100Mbps程度)
  • 配信回線2:docomo4G回線(上り5~20Mbps程度、下り5~40Mbps程度)(iphone7のデザリング)

〇受信側通信回線

  • 受信回線1:OCN回線(上り50~100Mbps程度、下り50~100Mbps程度)
  • 受信回線2:docomo4G回線(上り5~20Mbps程度、下り5~40Mbps程度)

〇受信デバイス

  • 受信デバイス1:OS windows10/CPU corei5(第7世代)/メモリー 8GB
  • 受信デバイス2:機種 iPhone7/OS ios14.4
  • 受信デバイス3:機種 Galaxy S10+/OS android10

Zoomによる検証結果

(1)Zoomのアカウント

Zoomを利用して高画質の映像を届けるためには、配信側は有料のアカウントを利用する必要がある。(高画質配信に必要な設定が、無料版では出来ない。)

本検証にて使用したアカウント:Proプランアカウント
Proプランアカウント利用料:月額2,000円
購入アカウント数:1アカウント(ミーティングの参加者については無料のアカウントで問題ない)

(2)Zoomのバージョン

検証時点の最新バージョンを使用(2021年2月15日時点)

PC版 ver.5.5.2
ios版 ver.5.5.3
android版 ver.5.5.2

※利用する際はPC版、アプリ版ともに最新バージョンにアップデートする事を薦める

(3)Zoomの設定(配信側)

下の2つの設定を併用する事で、配信時の映像の乱れや音声のズレを軽減する事が可能になる


・「グループHD映像」の設定(有料版のみ可)

  1. zoomの管理画面に有料アカウントでログインする
    https://zoom.us/signin
  2. ミーティングの設定画面に遷移する
    https://zoom.us/profile/setting?tab=meeting
  3. 「グループHD映像」の設定を行う(画面を下部にスクロール)

    上のボタンがON(青色)で設定完了

・「ビデオクリップに最適化」の設定(無料版でも可)

  1. zoomのアプリケーションを立ち上げ、ミーティングを開始
  2. 画面下部にある「画面共有」を押下
  3. 共有する画面を選択し、画面下部にある「ビデオクリップに最適化」をチェックして共有を開始
    (4.音声については左隣にある「音声を共有」をチェックすれば、再生している動画の音声を共有できる)


(4)配信検証結果

・検証概念図


・各セクションにおける検証結果

①配信PC
  • 配信PC1:CPU corei7(第8世代)/メモリー 16GB ・・・ 〇
  • 配信PC2:CPU corei5(第8世代)/メモリー 8GB ・・・ 〇
  • 配信PC3:CPU corei5(第6世代)/メモリー 8GB ・・・ △
<配信PC考察>

配信PC1と配信PC2については安定的な配信を確認した。配信PC3についてはタイミングによって映像の乱れがあり、学科講習配信での利用はリスクが高い。拠って、配信PC2程度のPCスペックが下限と考える。
また視聴覚教材等のソフトウェア(当社であればN-PLUS)を配信用PCと同じPCにて使用する場合は、PCのリソース(CPU、メモリ等)を分散して利用する事になるため注意が必要。配信用PCは独立したPCにて運用する事を薦める。


②配信側回線
  • 配信回線1:softbank回線(上り50~100Mbps程度、下り50~100Mbps程度) ・・・ 〇
  • 配信回線2:docomo4G回線(上り5~20Mbps程度、下り5~40Mbps程度)(iphone7のデザリング) ・・・ ×
<配信回線考察>

配信回線1については安定的な配信を確認した。配信回線2についても検証時は配信できてはいたが、回線状況をモニターすると、6Mbpsを超えるタイミングが何度か見受けられたので、5~20Mbpsという帯域幅では、配信遅延等が発生するリスクは高いと思われる。 拠って、配信回線については、50Mbps以上の回線で行い、できれば帯域保証のサービス加入をお薦めする。


③受信側回線
  • 受信回線1:OCN回線(上り50~100Mbps程度、下り50~100Mbps程度) ・・・ 〇
  • 受信回線2:docomo4G回線(上り5~20Mbps程度、下り5~40Mbps程度) ・・・ △
<受信回線考察>

本検証において最も重視すべき点は、この受信側回線である。
受信回線1は安定的に鮮明な映像の受信を確認できたが、受信回線2は映像内のテロップや字幕などがぼやける等、細かい部分での映像の乱れが発生した。法令や数字等、一語一句が重要な学科教習においては、受信回線2(4G回線)は避けた方が良い。スマホでの受信状況をモニタリングしたところ、10Mbpsを超えるタイミングが何度かあったので、下り5Mbps~の4G回線では受信し切れない事象が発生する恐れがあり、安定的に鮮明な映像を視聴するには、下り(ダウンロード)で50Mbps程度あれば問題ないと思われる。
Wifiの回線速度を測定するツール(https://speedtest.gate02.ne.jp/)等で、受講場所の回線状況を確認した上で受講開始するなどの対策が必要。


④受信デバイス
  • 受信デバイス1:OS windows10/CPU corei5(第7世代)/メモリー 8GB ・・・ 〇
  • 受信デバイス2:機種 iPhone7/OS ios14.4 ・・・ 〇
  • 受信デバイス3:機種 Galaxy S10+/OS android10 ・・・ 〇
<受信デバイス考察>

今回用意した受信デバイスにおいては、いずれも問題なく受信する事を確認した。
但し、受信側デバイスのOSは最新バージョンに更新した上で受講する事を推奨する。


Webex meetingによる検証結果

(1)Webex meetingの配信者アカウント

有料・無料のアカウントがあるが、無料のアカウントでは1回のミーティング開催時間が50分までという制約があるため、オンライン学科教習で用いるのであれば、有料アカウントが必要


推奨するアカウント:Starterアカウント
Starterアカウントの利用料:月額1,700円
購入アカウント数:1アカウント(ミーティングの参加者については無料のアカウントで問題ない)

(2)Webex meetingのバージョン

検証時点の最新バージョンを使用(2021年2月15日時点)

PC版 ver.41.2.4.15
ios版 ver.41.2.0
android版 ver.41.2.1

※利用する際はPC版、アプリ版ともに最新バージョンにアップデートする事を推奨する

(3)Webex meeting利用時の留意事項

Webex meetingは、ミーティング参加者のデバイスを確認し、スマホ・タブレットだけの場合は配信側回線の帯域幅を狭くし、PC(PC用デスクトップアプリを用いた参加)がある場合は帯域幅を広くするという仕様になっている。そのため、動画配信時の画質を高く保つためには参加者のデバイスにPCを加える必要があり、ミーティング主催側(教習所側)でダミーの受信用PCを用意する必要があります。このダミーPCが無く、参加者(教習生)がスマホ・タブレットだけの場合は、回線状況や配信PCの種類に関わらず映像の乱れや音声のズレが発生するので注意が必要。
※ダミーPCはカメラをONにし、Webex meetingアプリケーションの画面サイズは広く取ること。

(4)Webex meetingの設定

視聴覚教材の映像、音声を安定して配信するために、以下の設定が必要となる


・「モーションおよびビデオで最適化」の設定

  1. webex meetingのアプリケーションを立ち上げ、ミーティングを開始する
  2. 画面下部にある「画面共有」を押下する
  3. 共有する画面を選択し、画面上部にあるセレクトボックスから「モーションおよびビデオで最適化」を選択し画面共有を開始する

・「コンピュータのサウンドを共有する」のチェック

画面右上にある「コンピュータのサウンドを共有する」にチェックを付け、再生している映像の音声を配信する


(5)配信検証結果

・検証概念図


・各セクションにおける検証結果

①配信PC
  • 配信PC1:CPU corei7(第8世代)/メモリー 16GB ・・・ 〇
  • 配信PC2:CPU corei5(第8世代)/メモリー 8GB ・・・ 〇
  • 配信PC3:CPU corei5(第6世代)/メモリー 8GB ・・・ ×
<配信PC考察>

配信PC1と配信PC2については安定的な配信を確認した。配信PC3についてはタイミングによって映像の乱れがあり、学科講習配信での利用はリスクが高い。拠って、配信PC2程度のPCスペックが下限と考える。
また視聴覚教材等のソフトウェア(当社であればN-PLUS)を配信用PCと同じPCにて使用する場合は、PCのリソース(CPU、メモリ等)を分散して利用する事になるため注意が必要。配信用PCは独立したPCにて運用する事を推奨する。


②配信側回線
  • 配信回線1:softbank回線(上り50~100Mbps程度、下り50~100Mbps程度) ・・・ 〇
  • 配信回線2:docomo4G回線(上り5~20Mbps程度、下り5~40Mbps程度)(iphone7のデザリング) ・・・ ×
<配信回線考察>

配信回線1は安定的な配信を確認した。配信回線2についてはタイミングにより映像の乱れ、音声のズレが発生したので、教習での利用は不可と考える。 Zoomと同様に、配信回線については、50Mbps以上の回線で行い、できれば帯域保証のサービス加入を推奨する。


③受信側回線
  • 受信回線1:OCN回線(上り50~100Mbps程度、下り50~100Mbps程度) ・・・ 〇
  • 受信回線2:docomo4G回線(上り5~20Mbps程度、下り5~40Mbps程度) ・・・ 〇
<受信回線考察>

Zoomと異なり受信回線2においても映像や音声に変化はなく、スマホ4G回線でも問題なく利用が可能。


④受信デバイス
  • 受信デバイス1:OS windows10/CPU corei5(第7世代)/メモリー 8GB ・・・ 〇
  • 受信デバイス2:機種 iPhone7/OS ios14.4 ・・・ 〇
  • 受信デバイス3:機種 Galaxy S10+/OS android10
<受信デバイス考察>

今回用意した受信デバイスにおいては、いずれも問題なく受信する事を確認した。 但し、受信側デバイスのOSは最新バージョンに更新した上で受講する事を推奨する。


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